辰巳町の家

構造・規模 木造平屋建
竣工 2012/08

施主は長年金沢駅の近くの住宅街に暮らしていた。 買い物や出勤なども便利な立地だったが、自然やアウトドアが好きな一家には物足りない面があった。 街中の利便性をとるか多少不便でも里山の暮らしを楽しむか、施主家族は後者を選んだ。
土地を探すにあたり、約半年を要した。 選んだ土地は、周辺に田畑が広がり、奥には小高い山の緑が美しい。 これからも変わることのない景色が決め手となった。 平面計画は居間を中心に家族の部屋を周囲に配置し、平屋建てとした。
外観は素材の数を抑え、ガルバリウム鋼板を主とし、西日のあたる部分にのみラムダ(コンクリート成型版)を張り西日対策とした。 居間は外部とのつながりを意識しており、その眺めは心地よい。これも里山という環境がもたらす恩恵である。 周辺とは十分に確保された空間を隔てているため、音楽やピアノ演奏を気兼ねなく楽しむことができ、 ゆったりとした居間で心地よい洗練された暮らしを楽しむことができると考えている。